群馬シルクとぐんまシルク

おかげさまで、ぐんまシルクを使用した私共の純国産絹の珠絹シリーズについてお取引が増えております。背景には経済産業省補助事業「産地ブランド化推進事業」の2018年度採択産地として弊社でも取り扱っている群馬県のシルク製品産業が選ばれており、「ぐんまシルク」をブランド化しようという大きな流れがあり、多くの企業より注目されているのではないかと感じています。それと共に群馬県の中でもそれぞれの企業・団体で独自のブランドシルクを定義し、他社や他の地域との差別化を図っているのが現状です。

そんな中、先日お取引いただいているお客様から「くーる&ほっとで扱っている珠絹シリーズは蚕品種「ぐんま200」を使用しているため『群馬シルク』ではないのではないか?」という内容のお問合せをいただきました。

私共は、あくまでも『(ひらがな表記の)ぐんまシルク』を扱わせていただいており、蚕品種「ぐんま200」も『ぐんまシルク』に含まれる旨をお伝えいたしました。

質問の背景を確認したところ、『富岡シルク』を最高級の「ぐんま200」のみを使用したもの、『群馬シルク(漢字表記)』を蚕品種を指定しないノーブランドの群馬県産繭を使用したものと定義しているものを見たため、くーる&ほっとの商品も『富岡シルク』として謳うことがことができるのではないかとのことで問合せいただいたとのことでした。

私共が認識している定義とは違ったため珠絹シリーズはそこに定義されている『富岡シルク』ではないと回答させていただいた上で、恐らくその定義は一部の企業や団体が商品を区別するために便宜的に使用している表記であって、私共と業界で広く認識されているものと異なっているとご説明させていただきました。

『ぐんまシルク(ひらがな表記)』、『富岡シルク』の定義は群馬県と富岡シルクブランド協議会によって下記の通り定義されているものです。

●ぐんまシルク(ひらがな表記になります)
群馬県の県蚕糸技術センターが開発したオリジナル蚕品種の繭を使ったもので、オリジナル品種には現在、「世紀二一」、「ぐんま200」、「新小石丸」、「ぐんま黄金」、「新青白」、「蚕太」、「上州絹星」、「ぐんま細」の8種類。
(群馬県ホームページより抜粋)

●富岡シルク
1.富岡産の繭であること。(富岡の養蚕農家、一部団体養蚕、企業養蚕含む)
2.富岡にて生産されている繭については、群馬県オリジナル蚕品種「ぐんま細」、「ぐんま200」「ぐんま黄金」「新青白」、一部ご要望により「錦秋鐘和」です。
(富岡シルクブランド協議会にご回答いただきました)

たまに『群馬シルク(漢字表記)』と書いているものを見かけますが群馬県ではあくまでも『ぐんまシルク(ひらがな表記)』を定義しているように見受けられ、『群馬シルク(漢字表記)』の定義は企業それぞれに委ねられてしまっているのが実情なのではないでしょうか。あえて群馬県で定義されている『ぐんまシルク』ではなく、漢字表記の『群馬シルク』という表記を選んで独自の定義・ブランディングをしているのは実際よく見受けられます。

上記の事からも私共で取扱っている珠絹シリーズについては「ぐんま200」の産地を特に富岡産に限っていないため、上記の富岡シルクブランド協議会の定義では残念ながら『富岡シルク』とは謳えないが『ぐんまシルク』製品であるというのが一般的な見解だと思います。

私共は、群馬県や富岡シルクブランド協議会と同じ定義でぐんまシルク商品を取り扱わせていただいております。