国産シルクの豆知識

シルクの原産国
 

国内で流通しているシルク製品は輸入がほとんどです。その割合を見てみると、平成22年のデータでみると、重量ベースで75%が服などに加工されたシルク製品として輸入されています。その他にも、絹織物、国内で縫製するシルク製品の原料となる生糸や絹糸(絹紡糸等)が輸入されています。この統計資料によれば、国産の生糸はわずか0.5%です。そのため、日本産の生糸を使った製品は、非常に希少で貴重です。
 

日本製のシルク製品
 

製品に「日本製」と表記されている製品でも、上記の通り、原料となる生糸・絹糸も日本製の製品は非常に少ないです。原料の生糸が輸入でも、織りなどの加工が国内の場合、「日本製」と表記することができます。平成26年度に日本国内で生産した生糸は24トンでしたが、海外から輸入した生糸と絹糸の合計は1380トンであり、国内で流通するシルクの原糸のうち、日本製の割合はわずか1.8%です。したがって、「日本製」表記のシルク製品は日本国内で加工されていますが、原料のシルクも日本製の製品はごく僅かです。
 

生絹(すずし)
 

生絹という言葉は、古くは平安時代の枕草子や源氏物語に出てくる言葉です。平安時代の公家たちは何枚も重ね着した衣装の上に、透明感のある生絹を着ることで、光を効果的に表現しようとしていたそうです。私たちのセリシンショールは生絹から作られており、平安時代の色使いに思いを馳せながらお使いいただけます。
生絹のボディタオルやミトンを湿らせお肌やお身体を軽くこすると、セリシンがお肌に馴染み、お肌ケアに役立ちます。また、髪の毛のトリートメント中や後に、湿らせたタオルを頭に巻くことで、ヘアケアにも役立ちます。
ただし、セリシンはスキンケアで使用した時に少しずつ滲み出てなくなっていきますす。また、紫外線の光を受け続けるとメラニンに変化してしまうことから、生地の色が黄変し、生地が劣化してしまいます。そのため、セリシン効果を期待してご使用する場合は、定期的な交換をお勧めします。
 

練絹(ねりぎぬ)
 

生糸の表面についてセリシンを落とし、フィブロインだけにするための精錬工程を経てできた糸を練糸(ねりいと)、練糸で織られた織物を練絹(ねりぎぬ)と言います。近代・現代において着物や服飾等に用いられるシルクは練絹がほとんどです。練絹は、フィブロイン特有の白い艶やかさや、柔軟さとコシの強さを合わせ持つ風合いです。練絹は精錬工程でフィブロインの繊維の中に無数の隙間ができるため、湿った空気をよく吸収し、余分な湿気は外へ放出するため、冬は暖かく夏は涼しいシルクの特徴が生まれます。
また、この隙間のおかげで染色する際に染料が行き渡るため、非常に発色の良い、深みのある色合いとなります。